2001年4月、小泉純一郎が
自民党総裁選で、自らの反対派を「改革に抵抗する勢力」と表現した。総裁選勝利後、総理大臣に選出された後の
5月9日、小泉は
衆議院本会議で
民主党の
鳩山由紀夫の「改革に抵抗する勢力を恐れず、ひるまず、断固として改革を進めるとしていますが、一体、その抵抗勢力とはだれのことでしょうか」という質問を受け
「私の内閣の方針に反対する勢力、これはすべて抵抗勢力であります」と答弁した。文字通り、政府に反対するすべての勢力ということである。
2005年8月8日、いわゆる「
郵政解散」と呼ばれる
衆議院解散に伴って開かれた記者会見においても、この言葉を用いている。自民党の声明でも「公務員
労組の既得権を守ろうとする野党や抵抗勢力に勝利し、真に国民のための改革を全力で成し遂げます」(
[外部リンク] 衆議院の解散にあたって党声明平成17年8月8日 自由民主党)とした。改革の旗を高く掲げ、国民に二者択一を迫るこのような政治手法をとったのは小泉が初めてではなく、小泉の政敵である
小沢一郎がはじめてである。
小選挙区制導入の是非をめぐって争われた
1993年の
総選挙の際、小沢は、小選挙区制導入を目指す自身の勢力を「
改革派」、導入に反対し
中選挙区制の維持を求める勢力を「
守旧派」と位置付けた。ただ、小沢はその際に自ら首班候補として選挙を戦ったわけではなく、小沢自身が解散を行ったわけでもない。それに対し、郵政の際の小泉は、自ら勝敗ラインを設定した上で解散を行い国民に真を問うたため、小選挙区導入時よりもより明快で、より明確で、より洗練されたメッセージが国民に伝わり、それが
郵政選挙圧勝につながった。また、小泉が自身の政策に反対する勢力を「
守旧派」と称さず、「
抵抗勢力」と称するのは、小選挙区導入に当時最も強硬に反対したのが小泉自身であったことがあげられる。なお、同制度に激しく反対していた小泉は、首相在任時、
毎日新聞記者の
岸井成格の取材に
「制度は利用しなきゃいけない」と延べ、賛成に転じた旨を明らかにしている。