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「相続」||クレカmaster.com 【05/27update】

相続 wikipedia|無料辞書

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相続(そうぞく)とは、自然人の財産などの様々な権利・義務を他の自然人が包括的に承継すること。一般的には、自然人の死亡を原因とするものを相続と称することが多いが、死亡を原因としない生前相続の制度(日本国憲法が施行される前の日本における家督相続は、死亡を原因とする場合もしない場合も含む)も存在する。相続に関する規定には遺言により民法の規定と異なる定めをすることができる任意規定が多く含まれる一方、遺留分規定のように遺言での排除を許さない強行規定も存在する。以下、この項では主として日本の現行民法における相続制度を解説する。
民法について以下では、条数のみ記載する。

◆ 総説

◇ 近代法の相続制度の趣旨
近代法の相続制度については、被相続人と生計をともにした遺族の生活を保障する趣旨であるとみる説や被相続人の遺した財産が無主物となってしまうことを防ぐ趣旨であるとみる説などがある。

◇ 相続における財産の承継形態
比較法上、相続原因が発生した場合(死亡など)に被相続人から相続人に財産が移転する形態としては、包括承継主義清算主義の形態がある。
・包括承継主義
・:相続原因の発生と同時に、被相続人と利害を有する者との間で何らの清算手続を経ずに、被相続人の財産が包括的に相続人に移転する形態である。この制度では、被相続人の財産は債務も含めて一切が承継されるため、債務の相続を回避するためには別の手続(相続放棄限定承認)が必要になる。日本、ドイツなどで採用されている形態である。
・:もっとも、この場合でも、限定承認の制度が採用されている場合は、所定の手続を経れば清算主義に近い形態になる。
・清算主義
・:この形態では、相続原因が発生した場合、相続財産は直ちに被相続人に承継されず、一旦死者の人格代表者(personal representative)に帰属させ管理させる。そして、この者が被相続人の利害関係人との間で財産関係の清算をし、その結果プラスの財産が残る場合はそれを相続人が承継する。英米で採用されている形態である。
・:包括承継主義と異なり、建前上は相続人が被相続人の債務を承継することはない。もっとも、相続財産が小額の場合は費用倒れになること、多額の場合でも清算手続を経ない方が経済的に望ましい場合もあるため、現実には清算手続を経ずに債務も含めてそのまま相続人が財産を承継する便法が採られることもある。

◆相続の開始
相続は、死亡によって開始する()。尚、死亡には、失踪宣告認定死亡も含まれる。
相続人は、相続開始の時(被相続人の死亡の時)から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する()。
相続の「開始」という用語を用いるが、いわば相続の開始の瞬間に被相続人の財産上の権利義務は相続人に承継されるのであり、時間の経過とともに次第に権利義務が移転するという性格のものではない。したがって、「相続の開始」と対となる概念は存在しない。

◆相続人

◇総説
被相続人の財産上の地位を承継する者のことを相続人(そうぞくにん)という。またこれに対して相続される財産、権利、法律関係の旧主体を被相続人(ひそうぞくにん)という。相続開始前には、推定相続人といい、被相続人の死亡による相続開始によって確定する。相続人となる者は、被相続人の子・直系尊属・兄弟姉妹及び配偶者である。
相続人となり得る一般的資格を相続能力といい、法人は相続能力を持たないが、胎児は相続能力を持つ()。

◇相続順位
直系及び傍系(兄弟姉妹)の相続権()
#被相続人の子
#被相続人の直系尊属(ただし最近親どまり)
#被相続人の兄弟姉妹
被相続人の配偶者は、上記の者と同順位で常に相続人となる。同順位同士との相続となるのであって、遺言による指定がない限り他順位間とで相続することはない。

◇相続欠格
故意に被相続人や他の相続人を死亡に至らせたり、遺言書を破棄・捏造するなどに規定される重大な不正行為(相続欠格事由)を行った者は、その被相続人の相続において当然に相続人としての資格を失なう。これを相続欠格という。遺言状ではなく遺産を隠匿しただけでは、相続の権利は失わない。

◇相続人の廃除
被相続人に対して虐待・侮辱あるいは著しい非行があった場合、被相続人は家庭裁判所に申し立てる事によって、その相続権を喪失させることができる()。これを相続人の廃除という。相続人の廃除は遺言による申し立てによっても可能である()。廃除された推定相続人は相続権を失う。廃除の対象者はにより遺留分が認められている被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に限られる。被相続人の兄弟姉妹も推定相続人となりうるが、これらの者については遺留分が認められていないので()、相続人は1項により相続分を指定することで相続させないようにすることができることから廃除の対象とはならない。なお、自分の意に沿わない結婚を行なったというような理由では廃除は認められない。
子から孫への贈与税を免れる手段として故意に相続欠格事由を作った場合または相続人の廃除となるような事由を偽装した場合においては贈与税が課税される。

◇代襲相続
・ 相続の開始以前に被相続人の子あるいは被相続人の兄弟姉妹が死亡、相続欠格・廃除によって相続権を失った場合、その者の子が代わって相続する(2項本文・2項)。これを代襲相続といい、代襲相続する者を代襲者、代襲相続される者を被代襲者という。代襲者は被相続人の直系卑属でなければならない(2項但書)。この代襲相続の問題点としては、養子縁組前に出生していた養子の子は被相続人の直系卑属ではないから代襲相続することはできない(大判昭和7年5月11日民集11巻1062頁)とする判例が昭和戦前にあるものの、これは養子を嫡出子の実子と全く同等なものとして扱う法理とも親の親は祖父あるいは祖母であるという社会常識とも明らかに矛盾しており、にもかかわらず、今なお解消されていない。なお、相続放棄は代襲原因とはならず、相続放棄をした者の直系卑属(子・孫・曾孫・・・・・)には代襲相続は発生しない。
・ 代襲者である相続人の子が死亡・相続欠格・相続廃除によって相続権を失った場合、孫が代わって相続する(3項)。これを再代襲相続といい、代襲者は直系卑属(子・孫・曾孫・・・・・)では延々と続くことになる。ただし、相続人が兄弟姉妹の場合には代襲者は甥姪までとなり、大甥大姪の再代襲相続は認められていない(参照)。
・ 相続人が直系尊属の場合、代襲相続とはいわない。

◆相続の効果

◇相続の一般的効果
相続により相続人は原則として被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(本文)。しかし、以下の例外がある。
・一身専属的権利
:相続人の一身専属的権利は相続が発生しても承継されない(但書)。以下のようなものがある。
#代理権(1項1号)
#定期の給付を目的とする贈与(定期贈与、)
#使用貸借における借主としての地位()
#委任における委任者あるいは受任者としての地位()
#民法上の組合の組合員としての地位()
・祭祀に関する権利
:系譜・祭具・墳墓の所有権は原則として慣習により祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するものとされるが、被相続人の指定があるときはその者が承継することになる(1項)。

◇共同相続
相続人が数人あるときは相続財産は共同相続人の共有に属することになる()。この「共有」の意味については共有説合有説の対立があるが、判例は以下の共有と異ならないものと解して共有説をとっている(最判昭和30年5月31日民集9巻6号793頁)。

◇ 相続分
相続人の相続財産に対する分け前の割合や数額のことで、普通はその割合をいう()。

  指定相続分
被相続人は遺言で共同相続人の相続分を定め、または、相続分を定めることを第三者に委託することができる(1項本文)。このような方法によって定まった相続分を指定相続分という。ただし、被相続人や第三者は相続分の指定について遺留分に関する規定に違反することができない(1項但書)。被相続人が共同相続人のうちの一人もしくは数人の相続分のみを定め、または第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は法定相続分の規定によって定まることになる(2項)。
上記のように遺言により相続分の指定・指定委託をした場合でも、消極財産は指定相続分によらず法定相続分に応じて分割されるという説が有力である。これについて大審院決定昭和5年12月4日は、「…金銭債務のその他可分債務については各自負担し平等の割合において債務を負担するものにして…」と述べている。最高裁の判例は見当たらないものの基本的にこの流れは保たれていると見てよく、下級審においても、消極財産は法定相続分に応じて分割されるから遺産分割の対象としなくて差し支えない旨の裁判例がある(福岡高決平成4・12・25判タ826・259)。

  法定相続分
遺言による相続分の指定がない場合は法定相続分()によることとなり、具体的には次の通りとなる。